飛騨牛「孝隆平」について
育成経過
平成22年に当時「安福」の孫でトップ種雄牛であった「白清85の3(H11-28)」の後継牛を育成するため、県下の繁殖雌牛100頭と「白清85の3」が交配されました。このうち、高山市の農家保有の繁殖雌牛「さむらい」と交配し生まれた産子(「孝隆平」と命名)が、平成25年に種雄牛候補3頭のうちの1頭に選抜され、さらに県下繁殖雌牛への交配を行い、能力検定が開始されました。
平成29年春までに「孝隆平」を父親とする産子27頭の肉質を調査した結果、極めて高い評価が得られ、優れた肉質能力を有することが判明しました。
「孝隆平」産子の特徴育成経過
枝肉取引で最も重要視される肉質形質の「脂肪交雑*4(霜降り具合)」と高級部位のロース芯面積がいずれも県内歴代最高の成績となっております。
当社の生産米は、健やかに育った飛騨牛の良質な肥料を使用し、生産しております。
・脂肪交雑: 牛枝肉取引規格(公益社団法人日本食肉格付協会)に基づく、霜降り具合を表す12段階の指標値
【1(少ない)-12(多い)】
・ロース芯面積: 高級部位のロース肉がどれだけ採れるかの指標となる面積です。
・枝肉重量: 牛(生体)から頭、皮、内臓などを取り去った後の重量です。
種雄牛について
飛騨牛生産のために育成された優秀な肉質能力を有する雄牛です。
県の改良方針に基づき計画的に生産される雄牛の中から、畜産研究所で実施する調査、能力検定などを経て選抜されております。
能力検定について
種雄牛候補と繁殖雌牛との交配により生まれた産子の枝肉成績(脂肪交雑、枝肉重量、ロース芯面積など)をもとに遺伝的な能力を判定する、全国和牛登録協会が定める「現場後代検定法」に基づき実施されております。
産子について
雄牛と雌牛との交配により生まれた牛のことをいいます。
脂肪交雑(霜降り具合)について
脂肪組織が、筋肉全体に不規則な網目状に沈着する状態についてです。
和牛肉の脂肪は優れた芳香とうま味を持っており、味や食感を引き立たせます。牛枝肉取引規格に基づく5段階の肉質等級判定で最も重要視される形質です。